放射線科
診療紹介
放射線診療は病気や怪我の診断・治療方針決定に重要な役割を担っています。当科では、熟練した各専門領域に精通する放射線科医師、診療放射線技師、看護師、事務職員が一丸となって、各科における診療・治療をサポートしています。
また、夜間・休日の救急医療にも最大限の医療情報を提供しています。
放射線診断
現在は常勤医3名と非常勤医で、消化管造影、CT、MRI、核医学検査と読影を行い、適宜、IVR、放射線治療を施行しています。
2台の多列CT(320列, 64列)、2台の高磁場MRI(3T, 1.5T)が稼働し、短時間で質の高い検査が可能です。また核医学検査では従来の骨シンチや負荷心筋シンチなどに加え、PET検査も行っています。
IVR(interventional radiology)
血管系IVRでは肝癌のTACE(肝動脈塞栓術)をはじめ、下大静脈フィルター留置や、緊急の止血術などを行っています。また肝癌に対してはPEIT(エタノール注入療法)、RFA(ラジオ波焼灼術)なども施行しています。非血管系IVRでは悪性閉塞性黄疸症例に対するPTCD(経皮経肝的胆道ドレナージ)、胆道ステントを中心に超音波ガイド下穿刺による治療を行っています。
放射線技術部門の業務内容は、一般撮影検査(各種骨撮影、胸腹部撮影、乳房撮影など)、CT検査(ダイナミックCT、CTA、3DCTなど)、MRI検査(MRA、MRCP、拡散強調画像など)、透視造影検査(胃腸造影、腹部造影、泌尿器造影、関節造影など)、血管造影検査(頭、心臓、肝臓、IVR、血管ステント挿入術など)、核医学検査(ラジオアイソトープを使用したシンチグラム、SPECT、PETなど)、放射線治療(高エネルギー放射線治療、定位放射線治療など)、骨塩定量検査を担当し各科への画像診断を支援し、また治療も行っています。
新病院となってからは、320列CTや、3TMRIなどの最新設備が導入されたことによって、よりよい画像診断の支援が行えています。もちろん、当院では小児の撮影を行うことが非常に多いので、放射線の被ばく低減にも努めています。
放射線科の主な検査室
- 一般撮影室
胸部や腹部、骨などを主に撮影しています。DVDなどを設置して、子供でも安心して検査が受けられるような環境を作っています。また、新生児、乳児の撮影は、補助具を用いて安全に検査が受けられるようにしています。
- CT検査室
小児の場合、主に頭部領域の撮影が主となっていますが、胸腹部の撮影も行っています。成人では、様々な目的で全身の検査を行います。最新のマルチスライスCTが導入されていますので、画像再構成によって作られた3D画像が診断に役立っています。また、より正確な診断をするために、造影剤を用いた造影検査を行うこともあります。これにより、血管の3D画像も容易に作成可能です。
検査時間は撮影部位によっても異なりますが、約5~15分です。
- MRI検査室
MRI検査は、磁気と電波を利用して、あらゆる断面の画像を得ることができます。撮影時は、狭いトンネルの中に入り、検査中は大きな音がします。そのため、乳幼児の検査では、睡眠導入剤などを用いて熟睡してもらい、時間をかけて撮影を行います。小児、成人ともに脳や心臓、体幹部など体の様々な部分を撮影しています。造影剤を用いなくても血管像が得られるMRA等も行っています。
検査時間は撮影部位、検査の種類によりますが、約30分~1時間です。
- TV透視造影検査室
食道や胃、大腸などの消化管、腎臓や膀胱といった泌尿器など、腹部の造影を主に行っています。また、整形外科医による各種造影や骨折の整復、不妊治療の検査である子宮卵管造影も行っています。
- 血管造影検査室(DSA検査室)
DSA検査室では、術前検査や診断目的のカテーテル検査、前述したIVRという医師の血管内治療のサポートも行っています。
- 放射線治療室
更新された6,10MeVリニアックにて、各種悪性腫瘍に対して放射線治療を施行しています。
- RI検査室
人体に悪影響を与えることの少ない量の放射能を持つ注射をして、各臓器の代謝や血流を調べ、形態や機能情報を把握することを目的とした検査をしています。
スタッフ紹介
福田有子 ふくだ ゆうこ
中央診断・検査センター部長
●骨軟部関節領域、婦人科領域、胎児MRI領域
放射線診断専門医/日本医学放射線学会研修指導者/PET核医学認定医/卒後臨床研修指導医
井藤千里 いとう せんり
診療放射線科医長
放射線診断専門医/核医学専門医/卒後臨床研修指導医
真鍋悠利 まなべ ゆうり
放射線科医師(専攻医)