行事

臨床看護の実践「多重課題演習」の授業を終えて

教員 藤川 幸子

臨床看護の実践

臨床看護の実践の科目は、3年次の12月~1月にかけ講義と演習の教育方法を用いて行います。この科目では、「複合看護技術演習」と「看護実践現場の多重課題演習」の2つの演習が、大きな学習内容となります。「看護実践現場の多重課題演習」は、健康段階、疾患、年齢、自立度などが異なる4事例を、シルバー人材センターの方や教員が模擬患者となって演示し、患者に必要な看護を学生が実践していきます。例えば、点滴の滴下が不良となる、息苦しさなどの症状が出現する、ふらついて転倒しそうになるなど、臨床現場で起こりうる様々な場面を想定し、状況のアセスメントを行い適切に対応していく演習です。3年生は、全ての看護学実習や統合看護実習を終え、これまで学んだ知識や経験の中で培った思考力や判断力を活かし4事例の対象理解を行いました。そして起こりうる症状の変化や医療安全上の問題などを予測し、必要な看護を計画立案し演習に臨みました。


演習の実際では、緊張のために思うように行動できない状況もみられましたが、計画を活かして対応することで、患者に必要な看護を懸命に実践していました。演習終了後、模擬患者をまじえての振り返りでは、病状にあわせて優先度を考え対応することやチームで連携し円滑にコミュニケーションを取りながら看護実践する重要性など多くの学びの確認ができ、学生自身が自己の傾向を客観視し、今後の課題も明確にできました。学生による授業評価を振り返り、実習での学びをさらに深化させ発展させる、よりよい演習に向け取り組んでいきたいと思います。

臨床看護の実践 臨床看護の実践

多重課題演習に取り組んで

3年生 萬 帆乃香

統合分野の臨床看護の実践の授業において、看護の実践現場を想定した事例を用いて多重課題演習に取り組みました。演習を行う前には、個人ワークやグループワークを通して、4つの事例の対象理解に取り組みました。対象理解では、3年間の学びの中で、特に臨地実習の体験をとおして学んだ患者にあわせた看護や病態のアセスメントの視点を活かすことができました。また、演習当日の多床室での看護をイメージして、どのようなことが起こるか予測しながら看護計画を立案しました。


演習の実際では、受け持ち看護師とチームの看護師の二者で協力し、決められた時間内で、特に安全に留意して援助できるように声をかけ合い実施しました。患者の病状の変化によって優先順位も変わっていくため、その場その場での判断と行動が難しいと感じました。演習後の振り返りでは、チームで連携し援助を依頼する時は、必要な患者の情報を相手によく分かるように具体的に伝達することの大切さや、患者の急変時にも予測できることは予め準備しておき、慌てず冷静に対処する重要性に気付けました。


今回の演習を卒業前に行うことで、自らの行動特性や確実な看護実践のための観察力や技術の未熟さを痛感し、改めて自己の課題をみつめる機会になりました。より質の高い安全に留意した看護を目指すために、さらに知識の定着を図り、技術力を高めていきたいと思います。また看護師として必要な倫理観についても身につけられるよう、意識して取り組んでいきたいと思います。

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