vol.25 たくさんの出会いに感謝!このページを印刷する - vol.25 たくさんの出会いに感謝!

2018年7月掲載

初期研修医/富井聡一さん

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 初めまして、初期臨床研修医2年目の富井聡一と申します。  

 昨年の4月よりこちらの病院にて研修医として働き始めてから、もう1年が経ちました。 3か月間の小児科での研修を始め、関門医療センターにて総合診療2か月、その後善通寺に戻り放射線科1か月、麻酔科1か月、循環器内科2か月、香川労災病院にて腎内分泌代謝内科1ヶ月、またまた善通寺に戻り泌尿器科1か月、麻酔科1か月、そして2年目になり現在救急科での研修を行っている最中です。研修医とは言え一般の人から見たら他の上級医の先生方と同様に医師として見られることが多く、机に向かっていた学生時代とは異なり日々責任と緊張感を持ちながら生命の現場に向き合っています。 

 ここで少し自分の自己紹介をさせてください。私は、生まれは東京、育ちは埼玉、そして大学は神奈川…と20年以上関東で生まれ育ってきました。四国には縁もゆかりも無かった自分なのでよく「なぜ香川に?」と聞かれることがしばしばあります。その理由としては香川県ならぬ「うどん」にあります。ちょうど8年くらい前に家族旅行で初めて高松に訪れた際に食べたうどんが衝撃的で、それ以来うどんの魅力に取りつかれ現在に至っております…いえいえ、冗談です。私は将来重症心身障がい児・者の医療に従事したいと考えておりまして、初めて病院見学した際に出会った小児科や研修医の先生方、スタッフの皆さんのお話が聞けたことやこの病院の雰囲気が魅力的だったことがきっかけでした。 

 研修医として4月から働き始めて様々な出会いがありました。まずこの病院に来て初めて出会った患者さんは、「プロピオン酸血症」という大学では聞いたことがない病名を持つ女の子でした。プロピオン酸血症は体内にある有機酸を分解する酵素が先天的に無いことによってミルクなどの代謝が上手くいかず有機酸が体内に蓄積される病気なのですが、出会った当初は知識もそんなにある訳でもなく右も左もわからない状態でしたが、上級医の先生と一緒に栄養や代謝、感染症などの管理をしながら勉強させてもらいました。小児科での研修は様々な疾患を持つ子ども達に巡り合えるだけではなく、その後ろにいるご家族の皆さんともコミュニケーションを取れることが魅力の一つでもあります。  2番目に出会った「コステロ症候群」の男の子とお母さん・お父さんとの出会いもとても印象的でした。コステロ症候群は先天性の遺伝子疾患の一つであり、腫瘍や不整脈など様々な合併症が報告されています。人工呼吸器下での管理であるため普段は病室内で時間を過ごすことが多いのですが、体調や天候の具合をみて晴れた日は一緒に6階の屋上庭園へ散歩に行ったり、バギーに乗せて病棟内を回ったり…と患者さんとご家族の方と同じ時間を過ごす中で新たな発見や喜び、悲しみ、また病気に対する不安や今後の心配事などを一緒に共有させてもらうことは単に医師として出来ることを考えるだけでなく、患者さんの目線で何が問題でどのようにしたらその問題を解決できるのか?という事をじっくり考える貴重な経験となりました。 

 その他にも看護師や助産師、薬剤師、MEなどのコメディカルのスタッフの皆さんや同じ研修医室でお世話になっている、研修医の先輩方や同期、JNPさんなどの出会いを通して、医師としてだけでなく、患者さんに安心・安全な医療を提供するスタッフの一員としてまた一社会人としてたくさんの事を学ばせてもらっています。特に同世代のスタッフの皆さんが働いている姿を見ると、社会人になりたての自分にとって「僕も頑張らな!」と良いモチベーションになっております。病院でのたくさんの出会いに本当に感謝しています。

 

 まだまだ未熟な自分ではありますが、これからも謙虚にかつ貪欲に学ぶ姿勢を忘れず、また上級医の先生方や研修医の先輩方・同期のみんな、JNPさんやコメディカルのスタッフの皆さんとお互い切磋琢磨しながら日々精進していきたいと思います。

 百聞は一見にしかず…なので学生の皆さんなど病院や研修に少しでも興味がある方は、是非一度病院見学に来てください。一緒にうどんを…いえいえ、一緒にこの病院を盛り上げていきましょう!!

 

 <2018.07>