「プペルバス」がやってきた!このページを印刷する - 「プペルバス」がやってきた!

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  令和3年1月20日、「プペルバス」が四国こどもとおとなの医療センターにやってきました。
「プペルバス」とは、お笑い芸人でもあり絵本作家としても活動されている、西野亮廣さんが手がけた「えんとつ町のプペル」という絵本の挿絵を乗せたバスです。各地で開催されていた「光る絵本展」に行くことができない子どもたちのために、走る個展会場としてボランティアで全国各地を巡回しています。

 今回のこの個展は、当院に2013年から2016年まで入院し、2歳10ヶ月で旅立たれた西谷まどかさんとそのお母様からプレゼントしていただいたものです。 闘病中の患者さんとそのご家族に少しでも楽しみを届けられるように、そして病院の職員にも少しでも安らぐ時間があるようにという想いから届けられました。

 

 本来であれば暗いバスの中での展示ですが、残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、バスの中ではなく院内のアートスペースでの展示となりました。真っ暗ではない場所でしたが、淡く光る絵本はとてもきれいで、通りがかる患者さんや職員も、写真を撮ったり、間近で光を楽しんだりしており、和やかな雰囲気で開催できたのではないかと思います。

 コロナ禍でのイベントの開催のため、実現できなかったこともありますが、結果的には患者さんやそのご家族、職員に喜んでもらうことができ、大変うれしく思っております。 最後になりましたが、開催にあたりご協力いただいた、西谷さんをはじめ、プペルバスのボランティアの方々に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 このイベントの模様は、患者さん向けの院内テレビ局で放映しています。

■イベントを終えて



私たち医療者は、病気の治療をするときに、どうしてもこどもの体に負担をかけてしまいます。その負担を上回るだけの効果のある治療をすることが、私たちの使命と考えていますが、残念ながら思い通りの効果が得られないこともあります。
特に心臓病などの場合には、治療で身体に負担をかけすぎて亡くなってしまうお子さんもいます。そんな時には自分自身の無力感の上にご家族からもお叱りの言葉や恨み言を頂戴し、心が折れそうになることもしばしばです。
そんな時に西谷さんから今回の展覧会のご提案をいただき、驚きました。お子様を亡くされた深い悲しみを乗り越えて、まだ私たちとの関係を継続しようとしてくれている、西谷さんの強さに驚くとともに深く感銘を受けました。
私たちのしていることが、ただ、無駄なばかりじゃなかったんだ、と気づかせてくれた西谷さん、そして、その西谷さんの呼びかけに応じて今回のイベントを実現していただいたたくさんの方々に感謝します。ありがとうございました。
小児心臓血管外科医長
川人 智久

 

 
本日は、プペルバス展示会開催にご尽力頂き誠に有難うございます。我々小児心臓グループ一同も拝見させて頂きました。
まどかさんが入院されたのは2013年の5月のことで、生まれつきの心臓病のための緊急入院でした。以後、まどかさんは嫌な顔せず何度も何度も大きな手術やカテーテル治療を頑張って受けてくれました。治療により、元気に笑顔を振りまいてくれる時もありましたが、やはり心臓の病気はとても重く2016年3月に天国に旅立たれました。約3年間、ご家族の皆様も治療に一喜一憂し、大変な時期を過ごされたと思います。我々心臓グループとしても、ご家族様の希望にそえなかったこと、今でも大変残念に思っております。

それから月日が流れ、今から2か月ほど前にご家族様から今回のプペルバス展示会の提案を頂きました。そして今回の展示会に先立ちご家族様とお話しさせて頂く機会がありましたが、皆様お元気そうで私たちも大変安心しました。その話し合いの中でご家族様から「この病院での闘病生活は大変な時もあったけど、看病する親として色々と学ぶべきことがたくさんあった。まどかを大切に治療してくれたこの病院で、まどかと一緒にその時の恩返しと、今も病気と闘っている子供たちに元気を与えたい。患者さんの親御さんの気持ちにも寄り添いたい。」という崇高なお考えを拝聴しました。当院でのまどかさんとの闘病生活を大切な記憶として心にとどめ、当院に対して感謝までしてくださっていること、我々としてはまどかさんを助けられなかった申し訳なさが今でもあるものの、お話しをうかがってとても救われた気持ちになりました。
2021年1月20日にプペルバスが来院し、病院内に設置されたギャラリーストリートには開始と同時にたくさんの方が来られ、小さなお子さんも楽しそうに見ておられました。夕にはプロジェクションマッピングも披露して頂き、お母様のご希望通りPICUの患者さんも拝見できました。今回の展示会を通じて、御覧になった方々はきっと笑顔と安らぎを受け取れたと思っています。ご家族様の思いは、まどかさんの思いは、きっと周りの患者さんやご家族に伝わってくれているはずです。

また機会がありました際にはどうか当院へお越し頂ければと思っております。
小児循環器内科医長
大西達也

 

 
西谷さんがブログで情報を発信し続ける意味

西谷さんは、病気について、一番参考になったのは、同じ病気のお子さんがいる方のブログなどの情報だとおっしゃっています。会ったこともない方と同じ病気を持つ家族の立場として、共感し励まされながら強く繋がっていたということ。ときには、ご家族が病気についての情報や経過について、発信することは、とても辛く大変だと思うのです。それでも発信することについての思いを話していただきました。

娘は生まれて数時間後に容体が急変し、高知では対応できず救急で県外まで搬送されて
なんとか命を繋いでいただきました。
娘の一番の特徴である「左心低形成症候群」。
それ以外にも脳外科の先生にもお世話になったり、眼科や皮膚科、様々な病名が飛び交う日々でした。
先生の貴重な時間を割いていただき、聞いた説明もなかなか理解できず、
何度も何度もインターネット上で調べて理解しようとしていました。
それでも珍しい病気ということもあり、あまり情報はありませんでした。
そんな中でも、数名の成長日記を拝見し、手術に関すること、日々の暮らしぶりを見て
少しづつ娘の体と向き合うことができるようになりました。
私自身はWEB情報を見ている一方で、1歳までの過酷な成長記録は公に向けての発信はできませんでした。
あまりにハードな試練が続き、この情報が同じ病名のご家族をナーバスにさせてしまうと危惧したからです。
同じ病名でもケースバイケース、そう言い続けていますが、自分も情報を受け取る時には最悪のケースばかり目に止まります。
そのため、公の情報発信では、出来るだけ「まどかちゃん」という個性を強調して「とある少女の成長記録」ということを心がけました。
1歳を過ぎて、まどか自身の体力も安定してきたころ、病気に立ち向かっていく日々を発信することは、同じように不安に思っているご家族の希望になると思い、オープンな場で発信していくようになりました。
ブログは私が情報を受け取っていたように、誰かの役に立てればという想いで紡いでいった言葉たちです。
自分が言ったことは自分に返ってくる、そう思っているので、ネガティブな発信はマイナスになると思っています。
誰でも発信できる時代なので、上手に情報の発信受信をして、頑張り過ぎずこどもたちの看護ができたらいいなと思っています。
西谷 智子