12月の屋上ガーデンこのページを印刷する - 12月の屋上ガーデン

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12月にもなると、メダカは睡蓮鉢の底の方に、じーっと動かなくなり冬眠に入りました。 冬の到来、そして2020年が終わろうとしています。

屋上ガーデンは、10月に入る頃には少しずつ夏の花が終わりだし、庭作業は大忙しとなります。
葉ボタンを植え、ビオラやアリッサムを植え、そしてびっくり箱を仕掛けるような気持ちで球根達を植え付けていきます。春に咲く宿根草たちも秋には植え付けて冬の間に株を成長させなければなりません。少しずつ冬支度を進めていきます。
しかし、そんな作業をしている私の傍らには、「まだまだ私の舞台の幕は閉じてないわよ。」とばかりに朝日に照らされながら屋上ガーデンという舞台を飾り続けている子達がたくさんいます。
これは12月初旬に撮った写真です。
最初の赤い葉っぱの写真はコリウスです。この時期にこんなにきれいな赤なので、何人もの方に「これはポインセチア?」と聞かれたくらいです。(写真では分かりづらいかもしれませんが、もう少し引いてみると本当に見事な赤色なのです。)



比較的暖かな気候の善通寺市。香川県は園芸の気候区分としては暖地となります。
それにしてもです。この元気さってどうなの??? 

そして、私の大好きなバラもまだまだ咲いています。バラの花は春の花と秋の花とでは全く違う表情を見せます。
春のバラは一斉に咲き誇り元気で華やかですが、秋のバラは一輪一輪がゆっくり花を咲かせ、落ち着いた深みのあるシックな色合いとなり趣があります。これは夏から秋の気温差が色素を濃くし、本来の花の色をより一層鮮やかにするからだそうです。同じバラとは思えないほどの違いです。自然の力って本当にすごいですね。
このようにいろんな表情を見せてくれるバラであるが故に多くのガーデナーを魅了してやまないのではないでしょうか。
来春に咲かせる花のことを思えば、いい加減この時期には花を咲かせず、栄養を温存させるべきなのだと思いますが・・・。
こんなにかわいい花を咲かせてくれるこの子達が愛おしく、つぼみを摘んでしまうことが出来ない情けない私なのです・・・。 

 

とはいえ、屋上ガーデンにも紅葉はやってきます。12月に入ってやっときれいなこがね色に染まったクロモジや茜色に染まりだした柏葉あじさい。 そしてやっぱり秋の定番ススキですね。とっても綺麗!!!

 

これから木々達は葉っぱを落とし、その葉っぱをお布団のようにして眠りにつきます。
疲れた身体をいたわるように元気を取り戻すために眠りにつきます。
新しい芽を息吹かせる時が充ちるのを待つように眠りにつきます。
「今はつらく苦しい時かもしれないけど、きっと暗いトンネルの先には光が待ってるから。それまで一緒に休養しよう、時が充ちるまで。」
そんなメッセージを患者さんに送っているように思えます。 

植物たちは、芽を出し成長し、花を咲かせ実を実らせる。そして、自分の役目を果たすと休眠期に入り、そして次の年を迎える。すごいことなのに当たり前のようにそれを繰り返します。
私たち人間の世界では、新型コロナウイルスと闘う日々が続いていますが、植物たちが当たり前のように繰り返している日常が私たちにも早く戻ってきますように。
そして、2021年が良い年となりますように。 

管理課 山口 智恵子