〈こども〉 vol.06 感染性胃腸炎についてこのページを印刷する - 〈こども〉 vol.06 感染性胃腸炎について

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 子どものかかる代表的な感染症に、感染性胃腸炎があります。感染性胃腸炎にはサルモネラ菌、キャンピロバクター、病原性大腸菌などが原因となる細菌性とノロウイルス、ロタウイルスが原因となるウイルス性があります。  

 冬にはウイルス性胃腸炎が流行します。症状は突然の吐き気、嘔吐で発症します。 嘔吐は1~3日間続き、遅れて下痢が始まります。熱がでることもあります。ロタウイルスによる胃腸炎では白色便になります。中枢神経系の合併症として、ロタウイルス感染の場合にはけいれんを起こすことがあります。無熱性、あるいは有熱性で見られ、1日複数回起こす こともあります。しかし、これは良性の経過を取り、下痢に伴う良性のけいれんと考えられています。 

 感染ルートは感染した人の便や嘔吐物からの二次感染、料理を担当する人が感染していて、その手を介して汚染された料理を食べた場合や、乾燥した嘔吐物からウイルスが塵埃とともに拡散し、経口的に感染 する場合があります。潜伏期間は1~2日とされています 

 治療は対症療法です。嘔吐開始後3~4時間は飲んだり食べなくても吐くことがあります。その間はあまり飲んだり食べたりしないほうが良いでしょう。大人が飲むスポーツ飲料は浸透圧が高く、糖分が多いため乳幼児には適していません。乳幼児用のイオン飲料は発熱や下痢によって失われた体液を補給する目的で作られており、赤ちゃんの浸透圧に合わせているので吸収がスムーズです。嘔吐がおさまってきたら母乳やミルクを開始しましょう。幼児では野菜スープ、おかゆ、やわらかいうどん等をはじめましょう。牛乳、乳製品、冷たい物は避けて下さい。一度にたくさん与えないで、少量から様子を見ながら増やしましょう。

○予防法
 嘔吐した吐物の処理の際には部屋の換気を十分行いましょう。手袋、マスクを付けてすればさらに有効です。  アルコールはノロウイルス、ロタウイルスに効果はありません。次亜塩素酸ナトリウムが有効です。ハイター等の漂白剤に含まれている成分ですから、嘔吐物はハイターで消毒すると有効です。石けんも有効です。食事を作る時、食事の前には石けんでしっかり手を洗いましょう。トイレの後にもしっかり手を洗いましょう。