〈おとな〉 vol.04 子宮筋腫についてこのページを印刷する - 〈おとな〉 vol.04 子宮筋腫について

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 子宮筋腫は子宮筋から発生する硬い球状の良性腫瘍です。1個や複数個できることがあります。女性ホルモンのはたらきで増大し数十cmになることもあります。20~30歳以上の女性では約30%に認められ、婦人科の腫瘍のなかでは最も多い病気の一つです。筋腫は、発生部位によって、3つのタイプに分けられます。内側の子宮内膜に向かって発育したものを粘膜下筋腫、筋層のなかで発育したものを筋層内筋腫、子宮の外側に向かって発育したものを漿膜下筋腫と呼びます。子宮筋腫の原因は、まだはっきりしていません。一説には、筋腫の芽は産まれながらに子宮に存在していて、思春期から増加する女性ホルモンに反応して成長していくそうです。実際に生理がはじまるまでは子宮筋腫を認めることは無いですし、また閉経すると筋腫は縮小します。 


引用元:日本産科婦人科学会HP

 粘膜下筋腫や筋層内筋腫では生理痛や生理の出血が多くなり貧血の原因となります。また筋腫の圧迫による腰痛や頻尿になることがあります。若い女性では不妊症の原因にもなります。漿膜下筋腫では場所によっては、かなり大きくても症状が無いこともあります。筋腫の場所や個数、患者さんの症状や年齢によって治療方法を検討しますが、やはり症状がひどいと手術が必要となります。子宮筋腫の手術では筋腫だけとる手術か、筋腫を子宮ごと摘出する方法があります。これまでは開腹手術でおこなわれていましたが、最近では可能と判断されれば腹腔鏡手術も可能となってきました。腹腔鏡手術では術後の回復が早く、また美容的にも小さい傷で手術可能なので大変喜ばれます。当院でも腹腔鏡手術を導入し、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍、子宮外妊娠、卵巣嚢腫捻転などを対象としており、手術件数は年々増加しています。しかし腹腔鏡手術がすべてにおいて開腹手術より優れているわけではありません。腹腔鏡手術を検討される場合は担当医と相談のうえ決められると良いでしょう。