file.12 診療情報管理士(HIM)
Health Information Manager(以下HIM)
医事・病歴管理室
皆さんは、診療情報管理士と聞いてもご存知ない方が多いのではないでしょうか?その名の通り、診療情報を適切に管理し、そこに含まれる情報を活用していく仕事です。1972年から診療録管理士として養成が始まり、1996年に名称を診療情報管理士に変更されています。諸外国ではHealth Information Manager(HIM)と呼ばれ、チーム医療を情報管理の立場からサポートしており、数多くの国で活躍しています。私達は、患者さんと直接お会いすることはほとんどありませんが、より良い医療サービスが提供できるよう日々、奮闘しています。
では、当院の診療情報管理業務を紹介します。
【医事】
患者さんが通院や入院をした際の診療に含まれる情報を集め、厚生労働省等に匿名化された情報として提供しています。提供した情報は、医療政策や診療報酬等を適切に分析・評価するために幅広く活用されています。
集約した情報は可視化する事で様々な分析を行う事ができます。自院の医療提供状況の評価や地域の病院と比較し今後の方向性を検討する事等に生かしています。
また、「臨床指標」と呼ばれる病院の様々な機能や診療内容を数値化したものを作成する事で、当院の特性を知ることができ医療の質も測れるようになります。医療の質を評価し継続的な改善に有効活用していけるような分析にも取り組んでいます。
ホームページにも病院情報として、地域における自院の立ち位置や役割、当院の特徴やどのような医療を行っているか等、皆さんに知っていただけるよう解説し掲載しておりますので是非ご覧ください。
今後、社会保障等に関してさらに多くの情報管理が行われ活用も拡大することが予想されます。様々な情報の中から有用な情報を出来るだけ分かり易く発信し、地域に必要とされ安心できる医療提供のお手伝いをしていきたいと思います。
【病歴管理室】
カルテに記載される記録は、診療内容や診療費の請求、インフォームド・コンセントの実施状況、開示に至るまで病院事業の全ての基本情報の大切な根拠であり、それらが適正に記載されているか管理し、記録の面から医療の質向上を目指し他部署へ働きかけることも診療情報管理士の業務です。
また、電子記録と同様に紙記録も大切な診療情報であり、紙の伝票や検査結果、医師による手術記録、看護師による詳細な観察記録、患者さんの署名捺印のある同意書や紹介状等は入院診療録としてファイリングし内容点検の上保管しています。
ここでは医師、看護師をはじめいろんな職種が協力して患者さんの治療にあたり病院業務が成り立っています。様々な問題解決には事務の視点のみで考えず、医療現場の声を聴き、相手の立場で現状を理解し提案を行うことを心掛けています。記録の大切さを理解し協力くださる病院スタッフに感謝しつつ、やり甲斐を感じながら日々業務に取り組んでいます。裏方の職種ではありますが、興味を持っていただければ幸いです。
<2018.01>