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Speech-Language-Hearing Therapist (以下ST)
リハビリテーション科 / 綾田永治

言語聴覚士は1997年に国家資格として認定された、リハビリテーション領域の中では比較的新しい職種です。最近ではメディアで取り上げられる機会も増え、徐々に言語聴覚士ということばが浸透してきているように感じます。ですが、実際にどのようなことをしているかはまだまだ分かりにくい部分もあると思いますので、この場で少しお話させていただきます。

 言語聴覚士の仕事内容は子どもから大人まで幅広く対象としています。まさに四国こどもとおとなの医療センターの名前の通りです。そういった幅広い方を対象に、『話す』、『聞く』、『食べる』ことが生まれつき、もしくは病気や事故等が原因で難しくなってしまった時に専門性を発揮することができます。



 『話す』ことは、ことばでコミュニケーションを取ることです。ことばと言ってもそこには口の動きや呼吸、様々な事が影響します。 

 

 『聞く』ことは、音を耳から取り込みことばとして理解することです。当然音が聞こえにくくなってしまった場合には、ことばとして聞こえにくくなることで理解が難しくなりますし、音がしっかり聞こえていても理解が難しくなってしまう場合もあります。

 『食べる』ことは食事を安全に楽しく行い、生きるために必要なエネルギーを体の中に取り込む大変重要な役割です。

 このような活動のどれか一つでも難しくなってしまうと、その人の生活の質は低下してしまいます。私たち言語聴覚士はそのような難しさをもってしまった方の、どこにどのような難しさがあるのか、どういった事を練習すればよいのかを細やかな視点を持って考えていかなければなりません。

 言語聴覚士の仕事をしていて一番の喜びを感じる時は、難しさを抱えた方の力になれたと実感できた時です。なかなか出なかったことばを話せるようになった、発音がしっかりして聞き取りやすくなった、食事が食べやすくなり楽しい時間になったなど。これからも関わる方の喜びの声が多く聞けるよう、日々研鑽を重ねていきたいと思います。

<2016.05>